頭皮のベタつきやかゆみ、抜け毛といった脂漏性脱毛症の症状が、セルフケアだけでは改善しない、あるいは悪化しているように感じる場合は、迷わず「皮膚科」を受診してください。脂漏性脱毛症は、単なる頭皮のコンディション不良ではなく、治療が必要な「皮膚の病気」です。自己判断で間違ったケアを続けると、症状をこじらせ、脱毛がさらに進行してしまう可能性があります。皮膚科では、まず医師があなたの頭皮の状態を詳しく診察し、症状の重症度を判断します。そして、原因となっているマラセチア菌の繁殖を抑えるための「抗真菌薬」の塗り薬(外用薬)が処方されるのが一般的です。ケトコナゾールやミコナゾールといった成分が含まれたローションやクリームを、指示通りに患部に塗布することで、菌の活動を抑え、炎症を鎮めます。かゆみや炎症が特にひどい場合には、それを抑えるための「ステロイド外用薬」が短期的に処方されることもあります。ステロイドは強力な抗炎症作用がありますが、長期間使用すると副作用のリスクもあるため、必ず医師の指示に従って使用することが重要です。また、体の内側からアプローチするために、皮脂の分泌をコントロールする「ビタミンB2、B6」や、かゆみを抑える「抗ヒスタミン薬」などの飲み薬(内服薬)が処方されることもあります。これらの薬物治療と並行して、医師からは食事や睡眠、ヘアケアといった生活習慣に関する具体的な指導も行われます。皮膚科を受診するメリットは、医学的根拠に基づいた正しい診断と、あなたの症状に合った最適な治療を受けられることです。インターネット上の不確かな情報に振り回され、貴重な時間とお金を無駄にしてしまう前に、まずは専門家である皮膚科医に相談する勇気を持ちましょう。それが、つらい症状から解放されるための、最も確実で安全な道なのです。
脂漏性脱毛症の治療は皮膚科へ相談を