髪質の変化細毛化とボリュームダウン

投稿日2024年5月7日 投稿先 円形脱毛症

加齢とともに薄毛を感じるようになる大きな要因の一つが、「髪質の変化」、特に「細毛化」とそれに伴う「ボリュームダウン」です。若い頃はしっかりしていた髪が、年齢とともに細く、頼りなくなってきたと感じる方は多いのではないでしょうか。なぜこのような変化が起こるのでしょうか。髪の毛の太さは、毛根にある毛母細胞の活動性と、髪の内部構造(主にコルテックスと呼ばれる部分)の密度によって決まります。加齢に伴い、毛母細胞の分裂能力や、髪の主成分であるケラチンタンパク質を作り出す能力が徐々に低下していきます。これにより、新しく生えてくる髪の毛が、以前よりも細くなってしまうのです。また、ヘアサイクルにおける「成長期」が短くなることも、細毛化に関係します。髪が十分に太く成長する前に成長期が終わってしまうため、結果的に細いままの髪が増えてしまうのです。さらに、年齢とともに髪内部の水分量や脂質量も変化し、髪の弾力(ハリやコシ)も失われがちになります。髪一本一本が細くなり、ハリやコシがなくなると、髪全体が重力に負けてしまい、根元から立ち上がりにくくなります。その結果、髪全体の「ボリューム」が失われ、ぺたんとした印象になり、地肌が透けて見えやすくなるのです。たとえ髪の本数自体がそれほど減っていなくても、髪が細くなるだけで、見た目のボリューム感は大きく低下し、「薄毛になった」と感じてしまうのです。この細毛化やボリュームダウンは、特に頭頂部や分け目などで目立ちやすい傾向があります。加齢による髪質の変化は、ある程度は避けられない自然な現象です。しかし、適切なヘアケアや頭皮ケア、バランスの取れた食事などを心がけることで、その進行を緩やかにしたり、髪の健康状態をできるだけ良好に保ったりすることは可能です。髪質の変化に気づいたら、それを加齢のサインと受け止め、早めにケアを見直すことが大切です。