遺伝子検査と実際の症状食い違うことも

投稿日2021年2月20日 投稿先 AGA

AGA遺伝子検査で「リスクが高い」と判定されたのに、実際には長年フサフサな髪を維持している人がいる。逆に、「リスクは低い」と判定されたのに、若くして薄毛が進行してしまった人がいる。このように、遺伝子検査の結果と、実際に現れる薄毛の症状が必ずしも一致しないケースは存在します。なぜこのような食い違いが起こるのでしょうか。その理由は、AGAの発症メカニズムが非常に複雑であり、遺伝子検査で評価できるのは、その要因の一部に過ぎないからです。現在のAGA遺伝子検査で主に調べられているのは、「アンドロゲン受容体遺伝子」の感受性や、「5αリダクターゼ」の活性に関連する遺伝子タイプです。これらがAGAのなりやすさに大きく関わっていることは確かですが、AGAの発症に関与する遺伝子は、これら以外にも複数存在すると考えられています。まだ特定されていない遺伝子の影響や、複数の遺伝子の組み合わせ(ポリジェニックな影響)によって、検査結果だけでは予測できない発症リスクが存在する可能性があるのです。さらに重要なのが、「環境要因」の影響です。遺伝的にAGAのリスクが高くても、非常に健康的な生活習慣(バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの少ない生活、禁煙など)を送り、頭皮環境を良好に保っていれば、AGAの発症が遅れたり、進行が緩やかになったりする可能性は十分にあります。逆に、遺伝的リスクは低くても、極端に不摂生な生活を送っていたり、強いストレスに長期間晒されていたりすると、それが引き金となってAGAの症状が現れたり、進行が早まったりすることも考えられます。つまり、AGAは「遺伝的素因」と「環境要因」が相互に作用しあって発症・進行すると考えられるのです。遺伝子検査の結果は、あくまで「素因」の部分を評価するものであり、環境要因までは考慮されていません。ですから、検査結果と実際の症状に食い違いが生じることは、十分に起こりうることなのです。遺伝子検査の結果は重要な参考情報ですが、それが全てではありません。自分の生活習慣や頭皮の状態にも目を向け、総合的な視点で薄毛対策を考えることが大切です。